Igor@ゴールウェイ

今日見たIgorは3Dアニメーションの映画です。
本作品もまた、日本ではいまのところ公開時期は未定のようです。
3Dアニメーションは個人的に違和感を感じるジャンルですが、なかなか楽しめました。
例によって、台詞はほぼ理解できないので、物語について語る事はありません。
しかし、物語以外では語りたい事があります。
主人公の声を演じるのはJohn Cusack、Being John MalkovichやCon Airなどで活躍する俳優さんです。彼の声は、実写の作品であっても声だけの演技であっても、特徴は変わりません。私の耳には変わらず、小柄な男性が努めて太い声を出しているような声に聞こえます。この声がキャラクターに良くなじんでおり、ちょっと情けない感じがよく出ています。
本作品は人造人間とのラブストーリという設定になっています。この設定を生かしてキャラクターのデザインや調度品が作られているため、全体的に薄暗い背徳的な雰囲気を上手に演出しています。この雰囲気が作品の立ち位置うまく表しており、私はこの作品を見ながらTim Burtonの作品を思い出しました。
それはさておき、つい先月、日本でEX MACHINAを見たばかりでしたが、それと同様に前作のAPPLESEEDや映画版FINAL FANTASYも同様ですが、日本人が作る3Dアニメーションに登場するキャラクターは極めて彫りが深い。対照的にハリウッドや欧州のキャラクターは思いっきりデフォルメされたキャラクターを採用する傾向があるように思えます。日本人の欧米人に対するあこがれが投影されているのでしょうか?おそらくマーケティングの結果だとは思いますが、3Dアニメーションの世界では日本は立ち後れ気味です。
聞く所によると3Dのアニメーションは2Dのそれと同じく、キャラクターのセットアップに非常に手間がかかるそうです。そのため劇場用の作品ともなると多くの人手を必要とし、制作費が高騰する事の多いのだそうです。
しかし、本作品は、比較的低予算で作成されたそうです(著作者に承諾無く勝手にリンクを張ってしまいましたが、一般的には事前に承諾を頂いた方がよいのでしょうか?)。その理由として、人件費の安いベトナムにキャラクターのアニメーション付けなどを委託しているようです。確かに、エンディングのスタッフロールを見ると、アジアンな名前が多く見られました。この手法は日本のアニメーション制作と変わりません。業種を問わず、アウトソーシングは大流行の様です。予算内でより良い作品を作成する為にベストな選択だったのでしょう。
この成果かどうかは分かりませんが、本作品は非常に動きが豊かです。主人公に限らず、脇役たちの大仰な仕草がよい味を出しています。無駄な動きと言われればそれまでですが、私にとっては好印象です。
3Dのアニメーションとは言えど、キャラクターのアクションは人間が作り出しています。人間は自身の操る言語の違いによって、物事の捉え方やその解釈が異なります。そういった違いが、キャラクターのアクションの付け方に現れているのでしょう。私はそう解釈しています。

EYECINEMA前からの一枚