とっても寒いのに暖かい日@ゴールウェイ

奥歯がガチガチ、頭蓋内に響き渡る寒さの証明。
今日は雨が降っている上に強風吹き荒れる日です。日誌を書いている現地時間21時30分現在、ものすごい勢いで雨が窓をたたきます。びちびち。
昨日にも増して憂鬱かと思いきや、今日はすこしだけ良い事があったので憂鬱ではありません。ほんとうに些細な事です。
私がアイルランドに来て12日目が過ぎようとしています。しかし、まだ私とステイ先のファミリーとの間にまだ壁を感じています。もちろん、この壁は自らの内にあるものだと思います。私を受け入れてくれたファミリーは、長年にわたって留学生を受け入れて来た実績の持ち主です。私が感じている以上に、留学生の苦悩を理解してくれているでしょう。うまく言葉で表す事は出来ませんが、日常会話もおぼつかない私に対する態度でそう感じさせてくれます。
そんなファミリーと私の間を縮めるためのアイデアを、カウンセラーのキアランから度々要求されていました。その都度、私はファミリーとの会話を増やすだの、積極的に話しかけてみるだのと、適当な事を言ってやり過ごしていました。
もちろん、そのどちらも実践した試しがありません。いつも受け身です。
さすがにこんな状態では、鬱になるためにわざわざアイルランドまで来たようなものです。こんな状態を打開すべく、私は勇気をだして、家族がくつろぐリビングルームに足を踏み入れるためドアの前に立ちました。ドアノブに手をかけるだけで、心臓がいつもより強く脈打ちます。どくんどくん。
ドアを開けると、そこにはあたたかい暖炉がありました。ホストファーザーのマーティンが薪をくべながら、私にむかって声をかけます。私は進められるがまま、ソファに腰掛け、マーティンが色々と話し始めます。おそらく暖炉にくべているコークスについての解説です。私は時折、相づちをうちながら聞き入ります。そんな交流があって私の寒い一日は一変しました。ほんとうに些細なことで、私の心に灯がともります。
踏み出したその一歩は小さくとも、私の成長にとっては大きな一歩となりました。
おめでたい話かもしれませんが、明日からは暖かい日々が続きそうです。